ペンギンの仲間
ペンギンは現在18種類が生存しています。ガラパゴスペンギンの一部を除き、南半球のみに生息しています。中から代表的な数種類をご紹介します。
◆コウテイペンギン
分類 | :鳥類 / ペンギン目 / ペンギン科 |
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学名 | :Aptenodytes forsteri |
分布 | :南極大陸全域 |
体重 | :30〜40Kg |
体長 | :100〜130cm |
コウテイの名前が示すとおり、ペンギンの中でも最大の種。ぶ厚い脂肪と毛皮におおわれ、-40℃の極寒の地で繁殖をおこなう事で
知られています。彼らは吹き荒れるブリザードから身を守る為に大集団の群れを作り、内側と外側が規則的に入れ替わりながら
暖をとります。
ペンギンの中で唯一オスだけが卵を温める種で、ヒナがかえるまでの数か月、オスは厳しい絶食状態に。その間、メスは海に出て食料 調達の役割に専念。500m以上の潜水が可能な遊泳力を活かし、大量のエサを体内にを貯め込みます。 その後ヒナがかえる頃に繁殖地へと帰還し、絶食を耐えたオスはようやく海へと旅立つ事ができます。とは言え、アザラシやシャチにとって ペンギンは絶好のエサ。全てのメスが繁殖地に帰還できるわけではなく、それはすなわちオスとヒナの生命線が絶たれる事を意味します。また絶食後に、繁殖地から海までの数十キロの移動に耐えられず、そのまま命を落とすオスも…。
こうした厳しい状況を指し、「世界で最も過酷な子育てをする鳥」とも言われています。
ペンギンの中で唯一オスだけが卵を温める種で、ヒナがかえるまでの数か月、オスは厳しい絶食状態に。その間、メスは海に出て食料 調達の役割に専念。500m以上の潜水が可能な遊泳力を活かし、大量のエサを体内にを貯め込みます。 その後ヒナがかえる頃に繁殖地へと帰還し、絶食を耐えたオスはようやく海へと旅立つ事ができます。とは言え、アザラシやシャチにとって ペンギンは絶好のエサ。全てのメスが繁殖地に帰還できるわけではなく、それはすなわちオスとヒナの生命線が絶たれる事を意味します。また絶食後に、繁殖地から海までの数十キロの移動に耐えられず、そのまま命を落とすオスも…。
こうした厳しい状況を指し、「世界で最も過酷な子育てをする鳥」とも言われています。
◆アデリーペンギン
分類 | :鳥類 / ペンギン目 / ペンギン科 |
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学名 | :Pygoscelis adeliae |
分布 | :南極大陸及び周辺諸島 |
体重 | :4〜6Kg |
体長 | :70cm |
南極で子育てをするのはコウテイペンギンと、このアデリーペンギンの2頭だけ。コウテイペンギンとは対照的に小柄であり、
厳しい冬を避け、夏場に子育てをします。主食はエビやオキアミ類、時には魚やイカ類も。天敵はシャチやアザラシ、またヒナにとってはトウゾクカメモなどの大型鳥類も
脅威となります。
人間を寄せ付けない南の極地。かわいらしい容姿ながらも、厳しい条件で生き抜いてきた飛べない鳥。それがこのアデリーペンギンです。
人間を寄せ付けない南の極地。かわいらしい容姿ながらも、厳しい条件で生き抜いてきた飛べない鳥。それがこのアデリーペンギンです。
◆イワトビペンギン
分類 | :鳥類 / ペンギン目 / ペンギン科 |
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学名 | :Eudyptes chrysocome |
分布 | :インド洋/大西洋の南部〜南極圏の諸島 |
体重 | :3〜4Kg |
体長 | :40〜60cm |
絶滅危惧種:VU
目の上に眉のような黄色い羽毛。水族館などでもひときわ目立つ派手なペンギンがイワトビペンギンです。
他のペンギンがヨチヨチ歩きなのに対し、このペンギンはピョンピョン跳ねながら移動する事からこの名前がつきました。
見た目によらず気性が激しく、水族館などで手を出してかまれるとすればこのペンギンです。
人間による漁業圏の拡大の影響もあり、生息数は減少しています。
見た目によらず気性が激しく、水族館などで手を出してかまれるとすればこのペンギンです。
人間による漁業圏の拡大の影響もあり、生息数は減少しています。
◆ガラパゴスペンギン
分類 | :鳥類 / ペンギン目 / ペンギン科 |
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学名 | :Spheniscus mendiculus |
分布 | :ガラパゴス諸島 |
体重 | :2〜3Kg |
体長 | :50〜55cm |
絶滅危惧種:EN
ガラパゴスペンギンは、その名の通り、世界中でガラパゴス諸島にのみ生息する小型のペンギンです。
ペンギンと言えば寒冷地ばかりがイメージされがちですが、この種だけは例外で、赤道直下に適応する
進化を重ねてきたようです。
赤道直下は四季の変化がほとんどない為、特に決まった繁殖期はありません。しかしながら、海水温にある程度左右されているようです。これは水温によってプランクトンの数が大きく変わってくる為、それに合わせての生態と思われます。
ガラパゴスの他の種同様、人間が持ち込んだイヌ、ネコ、ネズミの影響で個体数は減少。海に流れた石油などの被害も深刻です。日本ガラパゴス会の報告では、2007年の個体数は1770羽との事。2008年にはマラリアに感染した個体も報告もあったようで、さらなる個体数の減少が危ぶまれます。
赤道直下は四季の変化がほとんどない為、特に決まった繁殖期はありません。しかしながら、海水温にある程度左右されているようです。これは水温によってプランクトンの数が大きく変わってくる為、それに合わせての生態と思われます。
ガラパゴスの他の種同様、人間が持ち込んだイヌ、ネコ、ネズミの影響で個体数は減少。海に流れた石油などの被害も深刻です。日本ガラパゴス会の報告では、2007年の個体数は1770羽との事。2008年にはマラリアに感染した個体も報告もあったようで、さらなる個体数の減少が危ぶまれます。
◆ジェンツーペンギン
分類 | :鳥類 / ペンギン目 / ペンギン科 |
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学名 | :Pygoscelis papua |
分布 | :南極周辺 |
体重 | :5〜8Kg |
体長 | :75〜90cm |
現存する18種類のペンギンの中では3番目に大きいのがジェンツーペンギン。
南極圏に暮らしますが、アデリーペンギンなどよりも北部に分布し、オキアミや魚介類を主食とします。
かつて紛争のあったフォークランドなどを主な繁殖地としており、同じエリアに生息するイワトビペンギンなどに比べると若干ながら個体数は安定しているようです。ペンギンの仲間の中で最も速く泳げると言われており、40Km/h近いスピードで海中を飛行します。
かつて紛争のあったフォークランドなどを主な繁殖地としており、同じエリアに生息するイワトビペンギンなどに比べると若干ながら個体数は安定しているようです。ペンギンの仲間の中で最も速く泳げると言われており、40Km/h近いスピードで海中を飛行します。
◆ケープペンギン
分類 | :鳥類 / ペンギン目 / ペンギン科 |
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学名 | :Spheniscus demersus |
分布 | :南アフリカ南部 |
体重 | :4〜6Kg |
体長 | :60〜70cm |
絶滅危惧種:VU
近年急速な発展を遂げている南アフリカ共和国。ケープペンギンはその名の通り、南アに生息する唯一のペンギンです。外見はガラパゴスペンギンやフンボルトペンギンなどと類似しており、種の分類において学者間で意見が分かれているとの事。
アフリカ大陸の最南端にある希望岬は、大航海時代から続く海路の要衝ですが、それだけに現在でも海難事故は絶えません。最も深刻なのはタンカー座礁などによる石油やオイル類の流出。ケープペンギンはその被害を最も深く被ってきたペンギンかもしれません。
タンカーが出現する以前は100万羽とも言われていた生息数が、今や10分の1程度にまで減少。大元の原因を突き詰めれば、先進国が石油に依存し過ぎた為との結論にたどり着きます。「脱石油社会」は二酸化炭素の排出を減らすだけでは無く、輸送中の事故や環境への負荷も大きく軽減させるという事は間違いありません。
アフリカ大陸の最南端にある希望岬は、大航海時代から続く海路の要衝ですが、それだけに現在でも海難事故は絶えません。最も深刻なのはタンカー座礁などによる石油やオイル類の流出。ケープペンギンはその被害を最も深く被ってきたペンギンかもしれません。
タンカーが出現する以前は100万羽とも言われていた生息数が、今や10分の1程度にまで減少。大元の原因を突き詰めれば、先進国が石油に依存し過ぎた為との結論にたどり着きます。「脱石油社会」は二酸化炭素の排出を減らすだけでは無く、輸送中の事故や環境への負荷も大きく軽減させるという事は間違いありません。
◆フンボルトペンギン
分類 | :鳥類 / ペンギン目 / ペンギン科 |
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学名 | :Spheniscus humboldti |
分布 | :南米の太平洋岸 |
体重 | :4〜6Kg |
体長 | :65〜70cm |
絶滅危惧種:VU
国内で最も多く飼育されているのがフンボルトペンギンです。南米でも、極地からはなれたエリアに生息しており、国内の気候にも順応しやすい種と言えるでしょう。しかしながら、生息地での個体数は減少しており、野生種は1万羽まで落ち込んだとも言われています。
原因としては、生息地の沖愛がエルニーニョ現象の発生エリアである為にその影響が直撃する事、また エサとなるアンチョビー(イワシの仲間)が、乱獲されている事などがあげられます。ちなみに、国内で食べられるアンチョビーは例外なくこのエリアで獲れたものと言っていいでしょう。
原因としては、生息地の沖愛がエルニーニョ現象の発生エリアである為にその影響が直撃する事、また エサとなるアンチョビー(イワシの仲間)が、乱獲されている事などがあげられます。ちなみに、国内で食べられるアンチョビーは例外なくこのエリアで獲れたものと言っていいでしょう。
CR | :ごく近い将来における絶滅の危険性が極めて高い種 |
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EN | :CRほどではないが、近い将来における絶滅の危険性が高い種 |
VU | :絶滅の危険が増大している種 |
NT | :準絶滅危惧種。生息条件の変化によっては「絶滅危惧」に移行する可能性のある種 |